京都古寺【天龍寺】  

嵯峨嵐山に建つ、京都五山の第一位にも列せられた格式高い古寺、天龍寺。

本ページは…

  • 天龍寺の歴史や見どころについて簡単に知りたい!
  • 天龍寺の境内やその近くには何があるの?
  • 天龍寺へのアクセスは?

そんな希望や疑問をお持ちの方のために作成いたしました。

よつぐ
よつぐ

それではまずは、天龍寺の歴史から見ていきますね!

天龍寺の歴史

天龍寺は臨済宗天龍寺派の大本山で、正式名称は「霊亀山(れいきさん) 天龍資聖禅寺(てんりゅうしせいぜんじ)」といいます。

よつぐ
よつぐ

天龍寺はどんな歴史を経たのか、簡単に見ていきましょう!

暦応2年(1339年)に足利尊氏が禅僧・夢窓疎石(むそうそせき)の勧めにより、敵対した後醍醐天皇の菩提を弔うための寺を創建することを発願。康永3年(1344年)に完成をみます。

七堂伽藍が整った大規模な寺院でしたが、創建から江戸末期にかけて8度の火災に遭い、伽藍は度々焼失してしまいました。
※現在の建物のほとんどは明治以降に再建されたもの

特に応仁の乱以降は寺勢が衰退し、また明治期には上地(政府に土地を上納)により寺領が大幅に減ってしましました。最盛期には150を数えた塔頭(子院)は、現在は境内と境外合わせて12になっています。

近年では平成6年(1994年)に世界文化遺産に登録され、国内外多くの観光客で賑わっています。

天龍寺の見どころ

天龍寺にはいくつか見どころがありますが、次の2つ+1に厳選してご紹介いたします。

よつぐ
よつぐ

では、それぞれ詳しく見ていきますね!

お庭の教科書
「曹源池庭園」

天龍寺といったらやはり「曹源池庭園」!

曹源池の正面にある亀山と小倉山、左手の嵐山、右手奥の愛宕山を借景とした池泉回遊式庭園になっています。

よつぐ
よつぐ

曹源池庭園は、「史跡・特別名勝」の第1号だとか!

春夏秋冬、四季折々の表情を見せてくれますが、一番人気なのがやはり紅葉の時期でしょう!

よつぐ
よつぐ

木々の緑と赤のコントラストが絶妙です

曹源池の手前にある大方丈からなら、ゆっくり座ってご覧いただけますよ!

よつぐ
よつぐ

建物の拝観と曹源池庭園の拝観は、それぞれ別料金になっているので注意が必要です

曹源池庭園を作庭したのは、天龍寺の創建のきっかけともなった夢窓疎石。

禅僧で作庭家、また歌も詠まれていたという多才な方です。

よつぐ
よつぐ

夢窓疎石は同じく世界遺産に登録された西芳寺の庭園の作庭もされています

ちなみに、「曹源池」という名前の由来は、夢窓疎石が池の泥をあげると、池の中から『曹源一滴』と彫られた石碑が見つかったからだとか。

龍のお寺で龍を見よ!
「雲龍図」

禅寺といったら法堂の天井に描かれる雲龍図ですね。

天龍寺でも法堂に雲龍図が描かれています。

よつぐ
よつぐ

堂内は写真撮影禁止なので、雲龍図が載せられません。
ぜひ現地でご覧ください!

天龍寺法堂の「雲龍図」は平成9年(1997年)に「夢窓国師650年遠諱(おんき)」の記念事業として、加山又造画伯によって描かれました。

どこから見ても龍と目が合う「八方睨み」の龍になっているのが特徴です。

「雲龍図」は特別参拝期間しかご覧いただけませんが、土日祝なら特別参拝期間以外でもご覧いただけます。

また、大方丈にも雲龍図があります。

よつぐ
よつぐ

ただ、こちらはガラス張りになっているので、陽の光がガラスに反射してしまってよく見えないことがあります…

ちなみに天龍寺は当初、創建当時の元号をとって「暦応(りゃくおう)資聖禅寺)」になる予定でした。

しかし、足利尊氏の弟・直義(ただよし)が大堰川(おおいがわ)で金龍が舞う夢を見たことから、「天龍資聖禅寺」に改めたそうです。

禅宗では仏教の守護神として龍が重んじられますが、このように天龍寺は特に龍と縁の深いお寺になっています。

ですので、龍と縁が深い天龍寺でぜひ龍をご覧ください!

嵐山屈指の
桜の名所

天龍寺は紅葉がフィーチャーされがちですが、実は嵐山屈指の桜の名所とされています。

境内にはしだれ桜やソメイヨシノ、八重桜など約200本の桜が咲いています。

中でも人気なのが多宝殿前のしだれ桜。

その咲きっぷりはお見事です笑

また、多宝殿の先を進んでいくと、「望京の丘」という少し小高いところがあって、境内を上から眺めることができます。

ここから見る桜も人気があります。

桜は一年に1回だけですが、ぜひ季節があいましたら天龍寺の桜をご覧になってください!

ぐるっと天龍寺

天龍寺の境内で、その他気になったものをいくつか取り上げておきます。

よつぐ
よつぐ

境内をゆっくり一回りした場合の所要時間は40分くらいです

勅使門

参道入口に入ってまもなくのところにあります。元は伏見城にあったもので、寛永18年(1641年)に移築されました。境内の端にあるため火災は免れ、寺内では最古の建物になります。

庫裏(くり)

天龍寺の境内に入って、一番奥にあります。大方丈や多宝殿などの建物の拝観はこちらから可能です。こちらの建物は明治32年(1899年)に再建されたものです。

大方丈

曹源池庭園のすぐ前にある建物です。御本尊は平安時代後期に造られた釈迦如来坐像です。建物から庭園へは降りられなくなっているので注意してください(庭園専用の入口から入ります)。

多宝殿

曹源池庭園の北側にあります。昭和9年(1934年)に建立されたもので、堂内中央には後醍醐天皇の像、両側に歴代天皇の位牌が祀られています。堂内に入ることはできません。

友雲庵

法堂の南にあります。毎月第2日曜日の午前9時から1時間座禅体験ができます。予約不要で誰でも参加できるので、天龍寺でじっくり精神統一されたい方はぜひどうぞ。

八幡宮

庫裏の手前にある神社で、天龍寺の鎮守社になっています。秋には紅葉が見られる場所として人気があります。

御朱印

天龍寺の御朱印は法堂の北側にある売店の御朱印所でいただけます。御朱印はスタンプ式で、内容は「覺王寶殿(かくおうほうでん)」になります。

よつぐ
よつぐ

ここからは天龍寺の境内にある塔頭です
(通常拝観されていないところがあります)

妙智院

嵐電嵐山駅近くの参道を入ってすぐのところにあります。享徳2年(1453年)に竺雲等連(じくうん とうれん)により創建されました。境内には西山艸堂(せいざんそうどう)という湯豆腐屋さんがあります。

寿寧院

妙智院の隣(西)にあります。南北朝時代に龍湫周沢(りゅうしゅう しゅうたく)により創建されました。境内には坂本龍馬の妻・お龍さんとその父・楢崎将作の顕彰碑があります。

等観院

寿寧院の隣(西)にあります。元中3年/至徳3年(1386年)に、細川満元により建立されたと言われています。後本尊は「十一面観世音菩薩」です。

永明院(ようめいいん)

等観院の隣(西)にあります。応永20年(1413年)に太岳周祟(たいがくしゅうすう)によって創建されました。応仁の乱や蛤御門の変などで衰退しましたが、大正期に再興されました。

宝厳院(ほうごんいん)

永明院の南西にあります。寛正2年(1461年)に細川頼之により現在の上京区に創建され、平成14年(2002年)に現在地に移転しました。「獅子吼(ししく)の庭」というお庭が見られます。

松巌寺

法堂の北東(八幡宮の東)にあります。正平8年/文和2年(1353年)に公卿・四辻善成(よつつじ よしなり)により建立されました。境内には坂本龍馬像があります。

慈済院(じさいいん)

松巌寺の隣(東)にあります。正平18年/貞治2年(1363年)に創建されました。中華な感じの門(来福門)が特徴的です笑こちらにある弁天堂の天井にも龍図が描かれています。

弘源寺

慈済院の隣(東)にあります。永享元年(1429年)に、管領であった細川持之により創建されました。本堂の柱には蛤御門の変の際に長州藩士が試し切りした刀傷が残っています。

三秀院

弘源寺の隣(東)にあります。正平23年/応安元年(1368年)に創建されました。境内の六角堂には、後水尾天皇の念持仏と伝わる大黒さん(通称「東向大黒天」)が祀られています。

南芳院

三秀院の隣(総門に入ったすぐのところ)にあります。来歴はよくわかっていません。「青い目の僧侶」と言われた、ヘンリ・ミトワさんがかつてこちらに住んでいました。

アクセスと拝観情報

天龍寺へは最寄駅(嵐電「嵐山」駅かJR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅)から徒歩で行くか、最寄りのバス停から徒歩で行く方法があります。

電車で行く場合

嵐電「嵐山」駅から徒歩で行く場合

嵐電「嵐山」駅の改札口を出て、右へ曲がるとすぐに天龍寺の境内入口前に来ます。

嵐電嵐山駅から境内入口まで徒歩約2分です。

JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅から徒歩で行く場合

嵯峨嵐山駅の南口から真っ直ぐ進み、嵐電嵯峨駅の手前で右へ曲がります。

そのまま進むと天龍寺の総門に到着します。

嵯峨嵐山駅から総門まで徒歩約8分です。

バスで行く場合

最寄りのバス停から徒歩で行く場合

天龍寺の最寄りのバス停は「嵐山天龍寺前(嵐電嵐山駅)」です。

停車するバスは市バスと京都バスです。
・市バスの系統:「11」「28」「85(平日のみ)」「93(平日のみ)」
・京都バスの系統:「62」「72」「92」「94」

バス停のすぐ近くに境内への入口があります。

バス停から境内入口まで徒歩約1分です。

主要バス停(駅)からの乗車時間は下記の通りです。

  • 「京都駅前 (各線「京都」駅)」から
    ⇒市バス28系統:乗車時間約45分
  • 「阪急嵐山駅前 (阪急「嵐山」駅)」から
    ⇒市バス28系統・京都バス92 /94系統:乗車時間約4分
  • 「四条大宮 (阪急「大宮」駅 / 京福「四条大宮」駅)」から 
    ⇒市バス11 /28系統:乗車時間約33分
  • 「四条河原町 (阪急「河原町」駅)」から 
    ⇒市バス11系統:乗車時間約44分 
  • 「三条京阪前 (京阪「三条」駅)」から 
    ⇒市バス11系統:乗車時間約53分  
よつぐ
よつぐ

乗車時間は目安です。交通状況等により大幅に変わることがありますのでご了承ください。

拝観時間【庭園】
8:30~17:00
※最終受付16:50

【諸堂(大方丈・書院・多宝殿)】
8:30~16:45
※最終受付16:30

【法堂(雲龍図)】
8:30~16:30
※最終受付16:20

拝観料【庭園】
大人(高校生以上):500円
中学生・小学生:300円

【諸堂(大方丈・書院・多宝殿)】
一律300円

【法堂(雲龍図)】
一律500円
※土日祝のみ
(期間によって平日拝観可能)

所在地京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
TEL075-881-1235
ホームページ【本坊】
https://www.tenryuji.com/

【永明院 (塔頭)】
https://youmeiin.com/index.html

【宝厳院 (塔頭)】
https://hogonin.jp/

【弘源寺 (塔頭)】
https://kogenji.jp/

その他境内に有料駐車場有

ちょっとそこまで

天龍寺の周辺にある観光スポットやおすすめのスポットをご紹介します。

よつぐ
よつぐ

お時間があればぜひ一緒に行ってみてください

渡月橋

天龍寺から南へ徒歩3分ほどのところにある、嵐山の代表的なスポットです。元は法輪寺へ行くための橋で、承和年間(834年~848年)に法輪寺を中興した道昌法師が架橋したと伝わっています。

嵐山モンキーパーク

天龍寺から渡月橋を渡った先にあります。その名の通り、お猿さん(野生のニホンザル)が棲息している公園です。柵などなく、間近で見ることができます。展望台からは比叡山や京都市が一望できます。

竹林の小径

天龍寺から北へ徒歩7分ほどのところにあります。こちらも渡月橋と同じくらい嵐山の代表的なスポットだと思います。約400mある道で、道の両脇には手入れされた竹が並んでいます。

御髪神社

天龍寺の北門からだと北西へ徒歩6分ほどのところにあります。おそらく全国でも珍しい、髪に関するご利益があるとされる神社です。理美容業界の方や、髪の悩みを抱えた人が参られることが多いそうです。

天龍寺周辺地図

よつぐ
よつぐ

以上、天龍寺についてでした!

こちらのページが拝観のご参考になりましたら幸いです^^

関連記事