京都古寺【青蓮院】  

創建以来、皇室と深い関わりがある古寺、青蓮院 (読み方は「しょうれんいん」)。

本ページは…

  • 青蓮院の歴史や見どころについて簡単に知りたい!
  • 青蓮院の境内やその近くには何があるの?
  • 青蓮院へのアクセスは?

そんな希望や疑問をお持ちの方のために作成いたしました。

よつぐ
よつぐ

それではまずは、青蓮院の歴史から見ていきますね!

青蓮院の歴史

青蓮院(天台宗)は正式名称を「青蓮院門跡」といい、「粟田御所」とも呼ばれていました。

よつぐ
よつぐ

青蓮院はどんな歴史を経たのか、簡単に見ていきましょう!

日本天台宗の祖・最澄が延暦寺東塔に建立した「青蓮坊(しょうれんぼう)」が始まり。

平安時代末期、青蓮坊第12代・行玄(ぎょうげん)の時に都に殿舎が造営され、「青蓮院」に改められました。行玄が青蓮院初代門主となり、以後青蓮院は門跡寺院(皇族や摂関家出身者が住職となる寺院)となります。

三代門主・慈圓(じえん)の時には、浄土宗開祖・法然上人を青蓮院境内の吉水坊(よしみずぼう)に庇護し、後にそれが知恩院の起源となります。江戸時代には、浄土宗の熱心な信徒であった徳川家康により知恩院の拡張工事が行われ、境内の多くが知恩院の境内になってしまいました。

明治期に入ると上地(政府に土地を上納)によりさらに境内地が減り、また明治26年(1893年)には火災により伽藍が焼失してしまいました。その後、復興がなされ、現在に至っています。

青蓮院の見どころ

青蓮院の見どころを次の3つ+1に厳選してご紹介いたします。

よつぐ
よつぐ

それでは1つずつ詳しく見ていきますね!

眺めても、歩いても…
「青蓮院庭園」

拝観受付を済ませてそのまま進むと「華頂殿(かちょうでん)」という、開放感ある畳敷きのお部屋に入ります。

青蓮院華頂殿

この華頂殿から見えるのが「相阿弥(そうあみ)の庭」!

青蓮院相阿弥の庭
青蓮院相阿弥の庭
よつぐ
よつぐ

室町時代の絵師で、連歌師でもあった相阿弥の作と伝わっています

「相阿弥の庭」にある池には大きな石があり、それが龍の背に似ていることから、この池は「龍心池」と呼ばれています。

青蓮院龍心池

秋の紅葉の季節は、龍心池の周りが赤く色づきますよ!

青蓮院龍心池紅葉

青蓮院のお庭は回遊式になっていますので、華頂殿から眺めるだけでなく、お庭を歩いてご覧になることもできます。

青蓮院相阿弥の庭
よつぐ
よつぐ

築山があって立体感があるのがこのお庭の特徴です

拝観順路に沿ってそのまま進んでいくと、今度は「霧島の庭」というお庭になります。

青蓮院霧島の庭
よつぐ
よつぐ

こちらのお庭は江戸時代に茶人として名を馳せた小堀遠州の作と伝わっています

「霧島の庭」の名前の通り、初夏になると霧島つつじが咲き、庭園内が一部赤く色づきます。

青蓮院霧島つつじ
よつぐ
よつぐ

青蓮院の庭園は、華頂殿から眺めるも良し!歩いて見るのも良し!

雅(みやび)一色!
「小御所」

華頂殿からそのまま通路を進んでいくとあるのが「小御所」。

仄暗いお部屋に、金色の障壁画が浮かび上がったように見えるのが印象的です。

いかにも雅な雰囲気が漂うところですが、それもそのはず。

天明8年(1788年)の「天明の大火」で御所が焼失してしまった際、後桜町上皇は青蓮院を仮の御所とし、小御所におられたそうです。

よつぐ
よつぐ

そのため青蓮院は当時「粟田御所」と呼ばれていました

ただ、当時の小御所は明治期の火災時に焼失してしまい、現在の建物は江戸時代中期に建てられた建物を移築したものだそうです。

小御所からも相阿弥の庭が見られますが、こちらからの風景もいい感じです。

よつぐ
よつぐ

後桜町上皇もこの風景をご覧になっていたんでしょうか?

ちなみに、小御所の近くには細長い手水鉢があります。

こちらは「一文字手水鉢」といって、豊臣秀吉が寄進したものだそうです。

青蓮院の代名詞!
「青不動」

青蓮院といえば「青不動」も見逃せません!

青不動というのは、その名の通り青い色をした不動明王で、仏像ではなく画像(絵)の不動明王です。

青不動は小御所の先にある「本堂(東側)」でご覧いただけます。

よつぐ
よつぐ

堂内の写真撮影は不可なので写真が載せられません…

ぜひ現地でご覧ください!

こちらの青不動は元々は朝廷内にあり、皇室の方々に信仰されていましたが、平安時代末期に青蓮院に下賜されたとのことです。

ただ、青蓮院本堂で見られる青不動は実は複製画で、原画は飛地境内である東山山頂の「青龍殿」に安置されています(ただし、こちらでも秘仏)。

ちなみにこちらの青不動は、三井寺(園城寺)の「黄不動」、高野山明王院の「赤不動」と並んで、三不動の一つになっています。

また、青・黄・赤以外にも白と黒の計5色あるそうで、その中でも青不動が最上位にあるとのこと。

よつぐ
よつぐ

つまり、青蓮院の青不動は「不動明王の中の不動明王」。

複製画でも一見の価値ありです!

折角なので…
「将軍塚青龍殿」

見どころ3で少しご紹介しましたが、青蓮院は東山山頂に飛地境内があり、そこは「将軍塚青龍殿」と呼ばれています。

青蓮院に行くなら、「将軍塚青龍殿」もぜひ行っておきたいところです。

「将軍塚青龍殿」の見どころといえば、何と言ってもやはり大舞台とそこからの風景でしょう!

よつぐ
よつぐ

舞台の大きさは清水の舞台の4.6倍!

色々見ていると、平安神宮の参道にある鳥居を発見しました。

この大舞台からの眺めは主に北から北西にかけての方角ですが、この大舞台の他に「西展望台」というところがあり、そこからだと西や南西方向も見ることができますよ!

ただ、京都タワーの展望室のように、どこに何の建物があるのか説明しているものがないので、そこがちょっと残念…

よつぐ
よつぐ

Googleマップの航空写真モードと一緒に見るのがおすすめです笑

ちなみに、「将軍塚青龍殿」へは以前はバスも出ていたようですが、現在は自家用車かタクシー、あるいは歩いて行くことになります(自転車でも行けるかも?)。

歩いて行く場合は、知恩院の大鐘楼の奥に東山の登山口がありますので、そこを登っていけば「将軍塚青龍殿」まで行けます。

自分も登ってみたい!という方は、とりあえず「東山山頂公園」と書かれている方向に向かって進んでください。

よつぐ
よつぐ

私は歩いて登りました!(時間は25分くらい)

大舞台からの風景を見ると、疲れも飛んで行きました笑

ぐるっと青蓮院

青蓮院の境内で、その他気になったものをいくつか取り上げておきます。

よつぐ
よつぐ

境内をゆっくり一回りした場合の所要時間は30分くらいです

御幸門

知恩院の三門から、通りを歩いて来ると最初に見えてくる門です。明正天皇の中和門院の旧殿の門を移築したものです。ただし、こちらから入ることはできません。

本堂

境内の南にあります。堂内は東西で分かれており、東側には青不動、西側には「熾盛光(しじょうこう)如来」の曼荼羅(秘仏)が安置されています。「熾盛光堂」とも呼ばれています。

聖天堂

本堂の近くにあります。青蓮院の聖天堂は明治期の廃仏毀釈により売却され、令和3年(2021年)になって再建されたそうです。十一面観音像が祀られています。

好文亭

「霧島の庭」の先にあります。後桜町上皇が青蓮院を仮御所としていた際に使われていた学問所です。元の建物は放火により焼失し、現在のものは平成7年(1995年)に再建されたものです。

日吉社

好文亭の先にあります。青蓮院の鎮守社になっています。元は別のところにあったものが応仁の乱で荒廃し、慶長10年(1605年)に現在地に移されて再興されたそうです。

鐘楼

境内の南西にあります。通常どこのお寺でも鐘楼はありますが、青蓮院では珍しく、拝観者も自由に撞いて鳴らすことができます。音の余韻がいい感じで、鐘の音で癒されますよ笑

植髪堂

境内の北側にあります。浄土真宗の宗祖・親鸞聖人は青蓮院で得度し、その際の髪の毛がこちらにある「親鸞童形像」に植えられているそうです。近くには親鸞聖人の遺髪塔もあります。

将軍塚

東山山頂の飛地境内にあります。桓武天皇が平城京遷都を行うにあたって、王城鎮護のためここに将軍の像を埋めたところとされています。ある意味、平安京の始まりの地と言えます。

御朱印

青蓮院の御朱印は拝観受付のところで書いていただけます。色々種類がありますが、私は「青不動」にしていただきました。将軍塚青龍殿でも御朱印があります。

アクセスと拝観情報

青蓮院へは最寄駅から徒歩で行くか、最寄りのバス停から徒歩で行く方法があります。

最寄り駅から徒歩で行く場合

青蓮院の最寄り駅は、地下鉄東西線「東山」駅です。

東山の2番出口から三条通に沿って東へ進み、「三条神宮通」の交差点で右へ曲がります。

そのまま直進すると青蓮院の門に到着します。

東山駅から青蓮院の門まで徒歩だと約7分で着きます。

最寄りのバス停から徒歩で行く場合

青蓮院の最寄りのバス停は「神宮道」です。
※停車するバスの系統は市バス「5」「46」「86」「105(土日祝のみ)」と、京阪バスです

神宮道に沿って南へ進むと青蓮院の入口に到着します。

バス停から青蓮院入口まで徒歩約3~6分です。
※停まるバス停の位置により、多少距離が変わります

主要バス停(駅)からの乗車時間は下記の通りです。

  • 「京都駅前 (各線「京都」駅)」から
    ⇒市バス5 / 86 / 105系統:乗車時間約29~35分
  • 「三条京阪前 (京阪「三条」駅)」から 
    ⇒市バス5 / 46 / 105系統:乗車時間約5分 
  • 「四条河原町 (阪急「河原町」駅)」から
    ⇒市バス5 / 46 / 105系統・京阪バス:乗車時間約12~15分
  • 「四条烏丸 (地下鉄烏丸線「四条」駅)」から
    ⇒市バス5 / 46系統:乗車時間約23分
  • 「四条大宮 (阪急「大宮」駅 / 京福「四条大宮」駅)」から
    ⇒市バス46系統:乗車時間約30分
よつぐ
よつぐ

乗車時間は目安です。交通状況等により大幅に変わることがありますのでご了承ください。

拝観時間9:00~17:00
※受付は16:30まで
※将軍塚青龍殿も同じ
拝観料大人(大学生以上):600円
高校生・中学生:400円
小学生:200円

※団体割引あり (30名以上)
※将軍塚青龍殿も同じ
所在地【青蓮院門跡】
京都府京都市東山区粟田口三条坊町69-1

【将軍塚青龍殿】
京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28
TEL075-561-2345 
ホームページ【青蓮院門跡】
https://www.shorenin.com/

【将軍塚青龍殿】
https://www.shogunzuka.com/
その他【青蓮院門跡】
境内に駐車場有(普通車5台まで)

【将軍塚青龍殿】
福徳門内に駐車場有

ちょっとそこまで

青蓮院の周辺にある観光スポットやおすすめのスポットをご紹介します。

よつぐ
よつぐ

お時間があればぜひ一緒に行ってみてください

知恩院

青蓮院のすぐ隣(南側)にあります。浄土宗の総本山で、浄土宗開祖・法然上人の入滅の地です。大きな三門や、法然上人像を祀る御影堂(みえいどう)が見どころです。
知恩院についてはこちらをご覧ください

八坂神社

青蓮院の南西にあり、円山公園内を通っていくと徒歩11分ほどで八坂神社の本殿前に着きます。「祇園さん」の愛称で呼ばれ、素戔嗚尊(すさのをのみこと)をはじめとして、多くの神様をお祀りしています。

高台寺

青蓮院の南にあり、円山公園内を通っていくと徒歩16分ほどで高台寺の拝観受付に着きます。臨済宗建仁寺派の寺院で、豊臣秀吉の正室・北政所(おね)が秀吉の冥福を祈るために建立しました。
高台寺についてはこちらをご覧ください

京都市動物園

青蓮院から北東に徒歩11分ほどのところにあります。明治36年(1903年)に全国で2番目に開園したという歴史ある動物園です。キリンやゾウ、トラなどを見ることができ、「おとぎの国」では動物と触れ合えます。

青蓮院周辺地図

よつぐ
よつぐ

以上、青蓮院についてでした!

こちらのページが拝観のご参考になりましたら幸いです^^

関連記事