京都古寺【六波羅蜜寺】

六波羅蜜寺についてAbout Rokuharamitsuji

六波羅蜜寺は民家や学校に囲まれたところにあり、地元民には「ろくはらさん」と親しまれているお寺です。

よつぐ
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まずは六波羅蜜寺の歴史について簡単に見ていきますね

真言宗智山派。山号は「補陀洛山(ふだらくさん)」。

空也(くうや)上人が疾病退散を願って十一面観音像を造り、それを本尊とした「西光寺」を応和3年(963年)に建立したのが始まり。空也上人の死後、弟子の中信上人が伽藍を拡大させ、この頃に「六波羅蜜寺」に改称したと言われています。

ちなみに「六波羅蜜」というのは、「布施(施すこと)」、「持戒(自分を戒めること)」、「忍辱(耐え忍ぶこと)」、「精進(努力すること)」、「禅定(自分を見つめ直すこと)」、「智慧(正しく見ること)」を指します。

平安時代末期の二度の大きな火災を含め、十数度火災の被害を受けますが、その都度復興されます。しかし明治期の廃仏毀釈により、開山堂や地蔵堂など諸堂を失い、寺域も縮小してしまいました。昭和44年(1969年)には大規模な本堂の修理が行われ、現在に至っています。

六波羅蜜寺の見どころHighlight

みんな大好き!
『空也上人像』

六波羅蜜寺といったらやっぱり教科書でもお馴染み、みんな大好き(?)の『空也上人像』!

六波羅蜜寺空也上人像
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『空也上人像』は写真撮影禁止なのでイメージ図でご容赦ください…

空也上人は南無阿弥陀仏と唱えれば極楽浄土に行けるという浄土思想を、市井(町中)を歩いて広めていたことから「市聖(いちのひじり)」とも呼ばれていました。

『空也上人像』はその活動している様子を表現していて、右手には鹿の角が付いた杖、胸には鉦鼓(しょうこ)と呼ばれる打楽器、そして左手には鉦鼓を叩くための撞木(しゅもく)を持っています。

正直言って初めて見た時の感想は、「思ってたより小さい…」です。体形でいうと5歳児くらいです(でも顔はオジサン…笑)

ただ、体形と顔のアンバランス感がむしろかわいく感じました!

しかしよくよく見るとこれがなかなかのリアル感で、頭の血管や鎖骨の浮き具合とかがかなり細かく表現されています。

よつぐ
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現地で見るのが絶対におすすめ!

ちなみに、空也上人の口から出ている6体の仏像は「南無阿弥陀仏」の6文字を表しているそうです。

令和館には
まだまだあるぞ!

空也上人像は六波羅蜜寺の宝物館である「令和館」というところで見られるのですが、令和館にはまだまだ貴重な像が見られます。

空也上人像と同じく教科書でお馴染みの『平清盛坐像』もあります。

お経が書かれた巻物を持ち、それを読んで心が浄化されたのか、はたまた極楽浄土に思いを馳せているのか、なんとなくうすら笑いをしているように見えます。

しかし目が全っ然笑ってなくて怖い…しかも目線が巻物よりもやや上の方を見ている感じ。

よつぐ
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『平清盛坐像』は空也上人像のすぐ隣に置かれています

あと、『奪衣婆(だつえば)像』という胸をはだけた、あられもない姿をしたおばあちゃんの鬼の像もおすすめです。

よつぐ
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かなり顔が怖いです…
文字通り、鬼ババアです笑

その他、令和館には四天王像や地蔵菩薩、運慶・湛慶像など色んな仏像をみることができますので、仏像好きさんも納得できる内容になっているはず!

12年に一度のご対面
『十一面観音菩薩』

六波羅蜜寺について」でもご紹介しましたが、六波羅蜜寺は空也上人が十一面観音像を造り、それを本尊としたお寺を建立したのが始まりです。

現在の六波羅蜜寺の御本尊である『十一面観音菩薩』は、なんと空也上人が造られたその十一面観音像と言われています!

空也上人自ら彫りだされた像を拝めるなんて貴重です。

しかし、ご注意を。実は御本尊の『十一面観音菩薩』は秘仏でして、辰年しかみることができません。

しかも見られる期間は1か月ほどです…

つまり12年に1度(しかも1か月ほど)しか見られない本当に貴重な仏像なので、辰年ならぜひ御開帳の期間に合わせて六波羅蜜寺に行っておきましょう!

2024年の御開帳2日目に実際に行ってきましたが、門前はご覧の通りかなりの人だかりで長蛇の列になっています。

六波羅蜜寺御開帳

本堂前でもこんなにごった返しています…

六波羅蜜寺御開帳
よつぐ
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開門のちょっと前に行きましたが2時間ほど待ちました…

また、御開帳から3日間のみ「淵龍の護符」がいただけます。
※先着500名まで無料

六波羅蜜寺淵龍の護符

「淵龍の護符」は5色あって、年によって色が変わるそうです。2024年は白でした。

よつぐ
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つまり同じ色の護符を手にするのは60年後…たぶん私は死んでますわ

ちなみに、六波羅蜜寺の境内には銅製の十一面観音像もあります。

こちらは御本尊が12年に1回しか見られないのはあまりに長すぎるということで、信者の方の寄進により安置されるようになったそうです。

ぐるっと六波羅蜜寺Around Rokuharamitsuji

六波羅蜜寺で気になったものをいくつか取り上げておきます。

よつぐ
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境内をゆっくり一回りした場合の所要時間は20分くらいです

本堂

現在の本堂は貞治2年(1363年)に建立されたもので、以後度々補修がされているようです。柱や梁などの部分に龍や唐草などが描かれているのが特徴的です。

福寿弁財天堂

境内の南側にあります。芸能、財福、知徳の神である弁財天をお祀りしています。こちらの弁財天は、東寺の毘沙門天などとともに、「都七福神」の1つになっています。

阿古屋塚

本堂の左側にあります。阿古屋は京都五条坂の遊女で、平景清を救った人として知られています。歌舞伎の演目にもなっているそうです。隣には平清盛塚があります。

なで牛

本堂の前にあります。自分の体の痛いところ・辛いところと同じところを撫でると良いそうです。ただ、ツノは触ってはいけないそうです。

六波羅探題府跡碑

この六波羅蜜寺がある付近は、平氏の「六波羅第」や、鎌倉時代に西国支配の出先機関となっていた「六波羅探題」が置かれていたそうです。

銭洗弁財天

本堂の右側にあります。こちらの水でお金を浄めて持って帰ると、金運の御利益があるそうです。ただ、浄めたお金は使わない方が良いそうです。

御朱印

六波羅蜜寺の御朱印は本堂内で書いていただけます。いくつか種類がありますが、私は一番オーソドックスな「六波羅堂」にしていただきました。

アクセスと拝観情報Access & Information

六波羅蜜寺へは最寄駅から徒歩で行くか、最寄りのバス停から徒歩で行く方法があります。

最寄り駅から徒歩で行く場合

六波羅蜜寺の最寄り駅は、京阪本線「清水五条」駅です。

駅から北に向かって歩くと右側に大きな通り(柿町通)がありますので、そこを右へ曲がります。

そのまま進んでいき、「京都市立開睛小中学校」の運動場の先にある十字路を左へ曲がります。

そうすると六波羅蜜寺の門があります。

清水五条駅から六波羅蜜寺の門まで徒歩約8分です。

最寄りのバス停から徒歩で行く場合

六波羅蜜寺の最寄りのバス停は「清水道」です。

「清水道」に停車するバスの系統は「86」「106」「202」「206」「207」「EX100(土日祝のみ)」「58(土日祝のみ)」「京都バス83系統」です。

「清水道」交差点の「松原通」を西へ進んでいき、西福寺というお寺のところで左折すると六波羅蜜寺の門に到着します。

バス停から六波羅蜜寺の門まで約5分です。

主要バス停(駅)からの乗車時間は下記の通りです。

  • 「京都駅前 (各線「京都」駅)」から
    ⇒86 / 106 / 206系統:乗車時間約16分
  • 「四条京阪前 (京阪「祇園四条」駅)」から
    ⇒207系統:乗車時間約7分
  • 「四条河原町 (阪急「河原町」駅)」から
    ⇒58 / 207系統・京阪バス83A系統:乗車時間約9分
  • 「四条烏丸 (地下鉄烏丸線「四条」駅)」から
    ⇒207系統:乗車時間約15分
  • 「四条大宮 (阪急「大宮」駅 / 京福「四条大宮」駅)」から
    ⇒207系統:乗車時間約21分
  • 「九条近鉄前 (近鉄「東寺」駅)」から
    ⇒202 / 207系統:乗車時間約23分
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乗車時間は目安です。交通状況等により大幅に変わることがありますのでご了承ください。

拝観時間【境内】
8:00~17:00

【令和館】
8:30~16:45
※受付は16:30まで
拝観料【境内】
無料

【令和館】
大人:600円
大学生・高校生・中学生:500円
小学生:400円

※団体割引あり (30名以上)
所在地京都市東山区轆轤町81-1
TEL075-561-6980
ホームページhttps://rokuhara.or.jp/
その他境内に駐車場有(4台まで)

ちょっとそこまでNeighborhood

六波羅蜜寺の周辺にある観光スポットやおすすめのスポットをご紹介します。

よつぐ
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お時間があればぜひ一緒に行ってみてください

六道珍皇寺

六波羅蜜寺から北東へ向かって徒歩4分ほどのところ(松原通沿い)にあります。創建は延暦年間(782年~805年)とされています。あの世に通じると言われる「冥途通いの井戸」があることで有名なお寺です。

建仁寺

六波羅蜜寺から北へ徒歩4分ほどのところにあります。日本に茶文化を広めたと言われる栄西禅師によって開かれたお寺で、京都最古の禅寺と言われています。
建仁寺についてはこちらをご覧ください

京都ゑびす神社

六波羅蜜寺から北西(建仁寺の近く)へ徒歩6分ほどのところにあります。建仁寺の鎮守社として創建されました。商売繁盛の神様、ゑびす様を祀っています。西宮神社・大阪今宮神社と並んで日本三大ゑびすの1つです。

安井金比羅宮

六波羅蜜寺から北東へ徒歩9分ほどのところにあります。藤原鎌足が創建し、崇徳天皇・大物主神(おおものぬしのかみ)・源頼政が御祭神です。縁切り・縁結びの神社としても有名です。

六波羅蜜寺周辺地図